オンデマンドサービスに見るradikoの可能性

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ラジオ業界は八方塞がり

ラジオ人口は減少の一途をたどっているという。

とにかく、若年層離れが止まらない。らしい。

たしかに、日常でラジオの話題はでないし、機会もない。

そもそも、ぎり若者の80年台生まれの僕らの世代でも、ラジオを聞くのは車の中だけだったような気がする。

昭和に流行ったかつてのラジオは、人々の娯楽と情報の中心だったという。

そして、テレビが普及しはじめた1960年頃からユーザーを失いだして、ここ20年では市場規模が半分になってるとか。

他の媒体に目を向けると、テレビもここ10年ほど、ネットにシェアを奪われて売上減少が騒がれている。

しかし、そのテレビにもネットにもダブルでシェアを奪われているラジオはどうすれば…状態といえる。

それにしても、テレビの登場以降、ラジオが盛り返すこと無く存在感を失い続けた原因はなんだろうか?

おもしろくない?

え?おもしろくないのか?

おもろいラジオ番組

PodcastやYouTubeを見ると人気番組はけっこうあるみたいだ。

お笑い芸人のものが多いが、YouTubeで再生数が数万とか十数万とかいってる。

数万人を惹きつける力があるコンテンツが面白くないということはないだろう。

ということは、ラジオはおもろい。

たぶん。

ただ、再生数が数百万にも達するテレビ番組やYouTuberの動画と比べると圧倒的に少ないのは現実だろう。

まあ、動画と音声は媒体の性質が全然違うし、そもそも違法アップロードばっかりのYouTubeで…とかいろいろあるが、やっぱり動画の画的なわかりやすさには勝てないのが事実だし結果。

今の小中高生は、ヒカキンや芸人をYouTubeで見るけど、芸人のラジオ番組は聞かない。

今の時代は、とにかく手軽に面白いもので溢れていて、スマホでSNSとゲームしてれば超ハッピー。

そして、これが見えてるかどうかが超大事。

今風な暇な時間の過ごし方

現代人は忙しい。

仕事の時間も不規則だし、決まった時間にラジオ聞いたり、テレビ見たりは、もう大体できない。

ただ、通勤、休憩、待ち時間なんかの分断されたスキマ時間はそこそこある。

そうなると、好きなときに好きな分だけ見れるオンデマンドサービスが流行るのは当然。

これに慣れると、もう録画とかめんどくさいし、意味ないし。

これまでテレビや映画に使っていた時間は、当然のようにHuluやYouTubeなんかで消費している。

そしてLINE、Twitter、Facebookあたりで共有して「いいね!」だ。

そして、そこにラジオの居場所はない。

ラジオの立ち位置

つまりは、手軽さと共有性で劣るラジオは、若年層には選ばれない。

ということは、ラジオはもうだめなのか?

いや、そうじゃない。

誰もかれもが「いいね!」という名の承認欲求とソーシャルな繋がりの魔力に惹きつけられているが、その中でも「いいね!」とは無縁の人もいる。

たとえば、ひとりの時間がほしい。

あるいは、静かに暮らしたい。

ていうか、共有する相手がいない。

などなど、そういう人たちはSNSはしないし、テレビやネットとは違うものを求めている。

ならば、ラジオの立ち位置はそこにあるといえるのではないだろうか。

今のラジオ聴取層は、スマホを使わない高齢者が多いわけだが、その下の世代にもラジオのニーズは確実に眠っている。

今年からradikoで過去一週間分をオンデマンド放送するらしいが、これはいまや必須のシステムであり、こういった時代に沿ったシステムを常に最新に保つだけでも、ラジオ市場を減少させることなく一定数で固定化することができるのではないだろうか。

当然、コンテンツも古いものではなく、時代に合わせていかないといけないが、まずはオンデマンド化であり、モバイルファーストだろう。

コンテンツは王様?

テレビのコンテンツ(番組)はおもしろい。

ここ数年は企画の焼き直しばかりだが、それでもYouTubeで再生回数が多いのは、やはりテレビ番組なのをみれば面白いのは間違いない。

まあ、焼き直しでうけるということは、テレビだの企画だのではなく、演者であるタレントの力で大体きまるということだろう。

そして、タレント事務所の規模を見れば当たり前だが、YouTuberよりテレビタレントの方がおもしろく、クオリティが高い。

でも、現代の小学生が見るのはテレビよりYouTuberの番組で、ヒカキンはアイドルだ。

当然テレビも見るが、YouTubeの中毒性はテレビの比じゃない。

子どもたちは、次から次へとレコメンドされる動画をタッチして視聴し続ける。

テレビ番組に劣るのになぜ見られるのか?

それは、YouTubeのフォーマットにYouTuberのコンテンツが最適化されているからだろう。

今のテレビやラジオのコンテンツの作り方はネットに適していない。

インターネットは何者だ?

テレビは特にインターネットを敵としたような構図を持っている。

そして、テレビのWEB番組はテレビの焼き直しで、全くWEBに最適化されていない。

当然うけにくいし、話題にもなりにくい。

テレビとかネットとか、そういう枠組みを外して、ユーザーが求めているものを提供するというシンプルな考えが、YouTuberにあってテレビにないものだといえる。

radikoの可能性

Apple Musicなどの音楽ストリーミングサービスや、Huluなどのビデオ・オンデマンドがキャズムを超えかけており、サービスの認知度が高まっている。

そして、そのような、共有性やレコメンド性に富むオープンな海外サービスにはない、クローズドなコンテンツを提供できるラジオはその隙間に潜むニーズに答えられるメディアだと思う。

テクノロジーの分野で、日本の既存メディアは蚊帳の外だが、radikoはこの中で勝負できるオンデマンドサービスになれるんじゃないだろうか?

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