どっちが正解?GoodポジティブとBadネガティブ

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これは、Goodポジティブ。

ポジティブはGood。ネガティブはBad。

ポジティブシンキングがもてはやされ、ネガティブは悪とされがちな昨今のポジティブ界隈。

アメリカでも、ポジティブ心理学やマインドフルネスが流行っているらしい。

定期的にポジティブな自己啓発本が投入され、たまに話題になるくらいには、日本でも「ポジティブ」はロングセラー商品となっている。

陽のイメージのポジティブは、日常では「積極的」「プラス思考」「前向き」といった感じで使われている。

たとえば、GLAYのTERU氏なんかは「ポジティ部」を発足し、部活動的にポジティブを推進しているとか。

まあ、たしかに人間は感情に左右される生き物であり、ポジティブには、言葉や行動で感情をプラスに高める要素がある。

それが、活力あふれる生活を送れるだけの精神的メリットに繋がるわけだから、救われている人も多いだろう。

反面、陰のネガティブのイメージは暗く、消極的なので、日常ではいい意味では使われていない。

たしかに、暗い感情は心身ともに不健康になるので、ネガティブを脱却してポジティブへ、というのは理にかなっている。

やはり、ネガティブを捨て、ポジティブを目指すべきなのだろうか?

会社組織から見るポジティブ・ネガティブ

ネガティブに逃げ場がないような状況だが、そんな中で、「ネガティブに考え、ポジティブに生む」という、株式会社サイバーエージェントのミッション・ステートメントになっている言葉がある。

ネガティブに考え、ポジティブに生む。
前向きなひとが多く、また評価されやすい当社に起こりやすい問題です。
ポジティブ過ぎる風土は過度の楽観を産み出し、
大きな問題点を見過ごしてしまう。
高いレベルを目指して慎重で、懐疑的で、注意深く、
でも最後はやはりポジティブに。

ミッション・ステートメント改訂|渋谷ではたらく社長のアメブロ

これはネガティブを悪としてはとらえておらず、思考の段階において、ネガティブの陰の部分を「慎重」「注意深く」と表現し、ポジティブの楽観による間違いを起こさないために必要な要素としてあげている。

ただ、最後はポジティブを生むわけなので、ネガティブは通過点に過ぎない。

やはり、ネガティブは日の目を浴びない存在なのだろうか。

ネガティブは表舞台には出られない?

あなたはポジティブ?それともネガティブ?

たまにこんな2択を聞いてくる人がいたりするが、この2択はダブルバインド的に矛盾を抱えている不合理な質問である。

また、前提としてネガティブに対する「ネガティブ」な感情があるのでより、ネガティブへのヘイトが多くなるのが分かるだろう。

ここで一度、ゼロベースでフラットに考えるとどうなるだろう?

ボジティブとネガティブを対等にバランスよく配合することで得られるものが見えるのではないだろうか。

「陰と陽」「光と闇」があるように、この世はすべて相反する世界なのだから、裏にいるネガティブが表に存在しないわけではない。

見たいもの以外を見てこそ、人生の奥行きを感じられるはず。

日常の中で通り過ぎがちな、奥行きの中にこそ、目の前の壁を打ち破るヒントが眠っているかもしれない。

先入観なしのゼロベース思考でeazy wayよりhard wayを歩いて奥行きを見つけたい。

そしてネガティブが生んだ成功

そんなことを思っていた矢先、ネガティブに陽の目をあてた本を見つけた。

そこには、ネガティブ感情が、相対的な優位性を生み出すといった内容が書かれており、危うさをもつポジティブと強さを秘めたネガティブの姿があった。

たとえば、ネガティブ感情をうむ訓練がもたらす精神的な強さについて。

不快感に耐える能力が大事なのは、キャンプ上手になるためでも、
立派な兵士になるためでもない。そういう能力を身につけた人は強
く、賢く、精神の働きが敏捷になる。それに何よりも、少々のこと
ではびくともしない強固な幸福感を持てるようになる

あるいは、ポジティブ感情がうむマイナスな精神作用について。

幸福を追求することが大事だと考えている人たちは、そうでない人
より寂しさを感じることが多い(カリフォルニア大学バークレー校
アイリス・モースの研究)

そして、甘い汁を吸い続けるほどに、感情が支配されていることについて。

生活が快適になればなるほど、不都合だと思える出来事に対して、
こらえ性がなくなる

貝殻で海を量る

というわけで、人生はポジティブやネガティブの一面だけでは測ることはできない。

ありふれた結論になるが、複雑に絡まった世界の中で僕たちは生きているということで話をまとめたいと思う。

同じ場所で同じものを見ているようで、ひとりひとりが見ている景色はまったく違う。

だからといって、自分の景色だけで世界を決めつけると、知らずに人を傷つけることもあるし、傷ついている人の存在に気付けなくなることもある。

人生は、日々忙しく、思い通りにはいかないものだけど、それをできない言い訳にはしたくない。

人の立場や背景に気をつけて、できるかぎり人にやさしく生きていきたい。

 
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